空の中

空の中

空の中

国産超音速飛行機の試験機と自衛隊機の四国沖高度2万メートルでの相次ぐ事故。調査のため訪れた事故空域で、ある異変に気付く...空の中に「何か」がいる。

有川浩ライトノベル越境作家の一人。読みは「ひろし」だと思ってたら「ひろ」だった。しかも男だと思ってたらカバーの著者紹介のところに主婦って書いてあるよw女だったのかー。

ファーストコンタクトものといえば宇宙人、とだいたい相場は決まってるけど、この本はそんな安いハリウッド映画みたいなベタな設定ではなく、高度な知性をもった未知の生命体が人間なんかよりもずっと前からそこにいて、単に知覚されてなかったと。そうか、そんな書き方があったかと。物語がどっちに転ぶのかわからない緊張感と事態が急転するスピード感。分厚めやけどとにかく続きが気になって仕方がなかったくらい。登場人物それぞれの感情表現もうまく、佳江と瞬のからみなんかもうにじみでまくってます。それでいて、高巳と光稀の恥ずかしいから照れ隠ししてる感とかうまい。すばらしい。