絶対、最強の恋のうた

絶対、最強の恋のうた

絶対、最強の恋のうた

100回泣くことに引き続き中村航です。週に3回交互に電話して、日曜日にデートする。デートの場所は金曜日に電話する方が提案する。そんな規則正しい恋愛生活を送る二人。恋とはスタンプカードのようなものだ。キスをして、好きだと思って、何かをわかり合って、やさしい気持ちになって、そんなことがある度に、私達はスタンプを押す。このカードはいつか、かけがえのない何かと交換できる。

普通の恋愛小説と言ってしまえばそれまでなのだけど、読んでて心地よい幸せさというか、くすくすと笑って、ニタニタと幸せを噛み締めるようなかんじ。なにかドラマチックな感動巨編というわけでもなく、バカみたいなことやってる大学生の青春小説ってかんじだ。特に彼女の視点から描かれる後半部分の文章がよいなぁ。んで、不自然に付け加えられたような坂本視点の最終章があることにより、これは僕と彼女の二人だけの特別な物語ではなく、どこにでもありふれた物語として読者との距離を近づけてるような気がするなぁとか思うのでした。