データの罠

データの罠 世論はこうしてつくられる (集英社新書)

データの罠 世論はこうしてつくられる (集英社新書)

視聴率、内閣支持率、経済波及効果、都道府県ランキングなどなど巷に溢れるデータ。新聞やテレビ、雑誌などで示されるデータ。一般人からすると世論調査などのデータを元に述べられる意見は実に客観的で、数値的な裏づけがとれた正しい主張であるように見える。数字が示されない机上の空論は見向きもされないが、数字が示されただけで途端に説得力を帯びてくる。
しかし、これらのデータはどの程度信用できるものなのだろうか?結論ありきで、偏った調査を行い、世論を誘導することも簡単にできてしまう。実際に信用のある大手の新聞社でも意図のあるなしにせよ時にこのようなミスを犯してしまう。調査の仕方、見せ方次第である。このようなデータの罠に騙されないように、データから導かれる結論だけではなく、その調査方法にも意識を向ける必要があるというのが本書の趣旨。
とりあえず数字があるとなんとなく説得力があると信じ込んでいる人々は、本書で取り上げる様々な事例を通して、とりあえずバカ正直にアンケート結果を鵜呑みにする危険性に気付き、適当に割り引いて信用するというスタンスを保てるようになるんじゃないかと。