国境の南、太陽の西

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

ジャズを流すバーを経営し、妻と2人の娘に囲まれ、申し分ない幸せな生活を送っている僕。そこに小学校のころに好きだった女の子が現れて、僕はひどく混乱する。
あの時あーしていればよかったという後悔は誰しもある。もう一度会えたらと空想する。でもお互いに住む世界が変わり、自分の周りにも守らなければならないものができたときに、なんのいたずらかもう一度チャンスがめぐってきたらどうするか。一歩踏み込めば今の幸福な生活は崩れ去る。でも、大切なものを今捕まえないと、もう二度と捕まえることはできないこともわかっている。普通のベタな恋愛小説なら全てを捨て去って昔の彼女と新しい愛をなんて展開になるところやけど、まさかそんな終わり方するわけもなく、ひどく中途半端な結末を迎える。答えは示されるがその答えが正しかったのかはわからない。そんなわけで、読んだ自分もひどく混乱する。