ブレイブ・ストーリー

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

7/8劇場アニメ公開予定の和製ファンタジーの原作。宮部みゆきといえばミステリしか思いつかないわけですが、こんな冒険ものも書けるのかと。

ジブリゲド戦記が7/29公開なので、時期的にはややずれてるけど、客層的にはかぶってるのでうまい具合に相乗効果が期待できそう。実はブレイブストーリーは角川文庫版とは別にラノベレーベルである角川スニーカーからも出てる。こちらは全4巻で、仮名遣いが違うだけで内容は一緒。スニーカーの剣と魔法の冒険ファンタジーが劇場アニメというと一般人的にはアニヲタきもいから不可なんだろうけど、角川文庫から出てて声優が松たか子だったら一般的にはOKというのが先入観って恐ろしい。

"現世"での運命を変えるために、女神さまのいる運命の塔を目指し少年は"幻界"へと旅立つ。旅をする中で多くの人と出会い、戦い、悩み、旅の果てに少年が得た答えとは...。
冒険ファンタジーという形態をとっていながら、その実、内容は少年の心の成長こそに重みが置かれていて、人のおろかさ、弱さ、そして強さとテーマは深い。500ページ×3冊の超大作なので読むのにかなり時間かかったけど、そんだけ分の価値のある厚みだと思う。前半の前振りがひたすら長く、冒険ファンタジーと思って読み始めるとひたすら現世の話なので上巻がやや退屈やけど、それだけのページを割いているのには意味があるので、途中で挫折しないように。中あたりからおもしろくなってきて、下巻はラストがどうなるのか気になって仕方がないくらい盛り上がるのでご心配なく。