ぶらんこ乗り

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。
この作品はなんて表現したらいいんだろう、読み終わった後、ほんの少しだけやさしくなれる、そんな作品。作中で声を失った弟が描くお話がたくさん出てくるんだけど、どこかものがなしくて、でもしんみり心に触れるようなそんなお話の数々。でも一番のお気に入りはユーカリ中毒のコアラのお話かなー。しんみりじゃなくて爆笑しました。読み終わってもあまり多く語らず、そっと胸の中にとどめておきたい本だと思う。