100回泣くこと

100回泣くこと

結婚する前に1年だけ同棲してみて結婚生活の練習をする二人。しかし幸せな生活は彼女の病気で突如崩れ去る。
ストーリーは非常にありふれたというかひねりも何もない王道で、病気オチな話はあんまり好きじゃないんだが、とにかく文章がよい。「やあ、嫁に来たよ」とか飾り気のないシンプルな言葉が読んでて心地よい。シンプルというのは単純な表現というのじゃなくて伝えたいことの本質を直接掴んでいるような言葉、例えばこんな表現「生命の前提と不完全さに、僕は腹を立てていた。生というシステムの完全矛盾に腹を立てていた。」とかよいなぁ。んで、「バイクの修理といえば牛丼なんだよ、ソバやカツ丼じゃだめなんだよ」とかなんだかよくわかんないがどこかおかしいちょっとずれたようなセリフもよい。
ストーリーはベタな恋愛小説なのでその手のが苦手な方にはおすすめできないんだが、きれいな文章がよいなぁというかんじです。