太陽の塔
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/01
- メディア: 文庫
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女性とは絶望的に縁がない主人公に初めてできた恋人水尾さん。しかし、夢の日々は長くは続かず水尾さんはあろうことか私を振ってしまう。「なぜ彼女は私という人間を拒否したのか?」という疑問を解明するため私は水尾さん研究と称し、彼女を観察し続ける。彼女の行く先々に先回りし、後を付け...ちょっwどうみてもストーカーです。本当にあり(ryとツッコミたいところを、これはストーカーなどという低俗なものと同列にされては困る、あくまで研究であると言い張る主人公。もう、なんだか痛々しすぎます。
「夜は短し〜」と同じく独特な古風な言い回し、人の道を踏み外し妄想力全開で痛すぎる負け組みな主人公。バカみたいなことを大真面目にやる人々。そして最後はちょっとしんみりとした幕切れ。うーん、絶妙すぎ。でも、このおもしろさを説明しようと部分部分を引用して説明しても、きっとそのおもしろさの1/10も伝えることができないのが残念でならない。なんか妙な文体の言い回しから漂う空気がよいとしか言いようがない。とりあえず「夜は短し〜」がおもしろかったという人は全員読め。