アジャイルサムライ

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

チーム力が足りないのかなぁと思って読んだ。アジャイル開発についての考え方を具体的な例を色々上げて解説してる。プロジェクトの計画で認識を合わせることの重要性、イテレーションで計画と現実がズレてきたときの軌道修正など、文体はすごくふざけてるけど(なんてったってマスター・センセイが熱心な弟子に奥義を伝授してるけど)、すごく平易な文章でアジャイル開発の考え方について書いてる。例えばアジャイル開発のプラクティスでよく言われる毎週価値ある動くソフトウェアを届けるというのは1週間じゃなくても2週間間隔でもよい。要するに一定の短いサイクルで目に見えて動くソフトウェアを顧客に届けることで、素早いフィードバックがもらえるし、優先順位とスコープを柔軟にコントロールできるし、何よりも顧客から開発チームが信頼される。大事なのは具体的な方法論ではなくて、それが出てきた背景にある考え方を理解することで、正解は1つじゃない。もちろん色んなアジャイル開発の方法論はこれまで色んなチームが試行錯誤して辿り着いたノウハウでそれを真似ることで先人の知恵にあやかれるけど、すべてがうまくいく訳じゃないので、そのチームのその時々の状況に応じて良いと思うことを探し続けることが大事。巻末の監訳者のあとがきに書いてあるのだけど、この本の内容は著者は明示していないが意図してアジャイル宣言の背後にある12の原則を具体例で説明する構成になっていて、先人たちがどういうことを考えてこのようなアジャイル宣言12の原則が出てきたのか思いを理解するのによい本だと思う。