キスまでの距離

おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)

おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)

村山由佳の代表作。おいコーはお気に入りのシリーズやけど、借りて読んでたので手元になかったわけです。で、今月に文庫版8が出るので、とりあえず文庫版で1から集めようかなぁと。知らない人のために補足しておくと、元はJ-BOOKSというジャンプ系のノベライズというマイナーなレーベルから発表されてるもので、最新刊以外は普通の小さい本屋にはたぶん置いてないんじゃないかと。文庫版はロングセラーなんでわりとどこでもあるかと。

おいしいコーヒーのいれ方なんぞというタイトルがついていますが、別にコーヒーのいれ方を教えてくれるわけではなく*1、普通の恋愛小説です。ただちょっと、主人公のショーリがへたれで、ヒロインのかれんもへたれで奥手すぎたりするので、読んでてじれったいというか、まどろっこしいというか、簡単に言うなれば続きが気になって仕方がないわけです。もうショーリのへたれっぷりを読んでると器小せぇ男はダメだなぁとつくづく思います。弟の丈のが数倍かっけー。具体的にどのへんがいいかというと、丈に言わせると
「女ってやつはさぁ、オレら男のことなんか、ちっともわかっちゃいねぇんだよなぁ。悩んでんのは、いっつも自分らばっかしだと思いやがってよ」
とか言うわけですよ。えぇことゆーた。風見鶏のマスターも男前ですが、丈のがお気に入りです。

余談ですが、村山由佳のデビュー作である天使の卵 エンジェルス・エッグ (集英社文庫)が映画化するらしい。こっちはもっとべたべたな恋愛小説ですが。おいコーも漫画化とかアニメorドラマ化すればもっと売れるだろうに、完結するまで行方がわからないというのもあるだろうけど、あとがきで活字離れ世代に活字でしか伝わらないおもしろさを伝えたい云々かんぬんという趣旨のことが書いてあるので、作者の意向なのかもなぁ。

*1:作中でかれんが「こんなおいしいコーヒーを毎日入いれてくれる人だったら、恋人にしてあげてもいいかな」というのにかけてある。恋人になるまでの道のり=おいしいコーヒーのいれ方という隠喩