最終兵器彼女外伝集

最終兵器彼女の外伝が出た。なぜ、今さらこのタイミングで出たのかはまったくもって謎。そんなことよりも世界の果てには君と二人でというすんごいタイトル。このタイトルがどうゆう意味を持つかというのは、最彼本編を最後まで読んだ人にはわかるはず。しかも、帯にこれが最後の最終兵器なんてあおりまで入れられると期待しない方がおかしい。

かくいう城陽人も「そうゆう意味」だと解釈して買ったわけですが、半分間違いで半分正解。この本には4つの外伝が納められていて、その中の表題作、世界の果てには君と二人では、最終兵器彼女と同じ世界のどこか別の場所の二人を描いた外伝で、シュウジもちせも出てこないし、ましてや本編の解釈を提供するものでもない。じゃあ帯はまったく嘘っぱちのあおりかというと、最後の短編スターチャイルドは、閉じた世界と子供たちというキーワードからなんとなくきみのカケラの外伝のような印象を受けるんだけど、読めばわかるとおり、たしかに最終兵器彼女の後の世界を描いたお話で、最後の最終兵器という意味として間違いではなく、またこの外伝集が最彼に関連するおそらく最後の本であるという意味でも間違いないので嘘ではない。でもまぎらわしいよ。てか買った人のほとんどは同じ勘違いをして買ったんじゃないかと。

でも、だまされたー、買うんじゃなかったーかと言うと、決してそうではなく、4つの作品どれも高橋しんの世界がぎゅっと詰まったできで、短編集としてみればそれはもうすばらしいクオリティだと思う。特に表題作はすばらしいできだと思う。なので、最彼ファンはとりあえず買っとけ。700円は一瞬やや高いかと思ったけど、カラーのページ数とクオリティを考えればむしろ安い。それ以外の最彼を読んだことのない人はとりあえず本編を読め。実写映画が余りにも不評だったので世間的には変な誤解をされてるようだけれども、もっともすばらしい漫画のひとつだと信じている。

3作目のきみのカケラは最彼やいいひとと比較して難解で、イマイチ序盤の盛り上がりに欠け、他の読者からも評価されず4巻あたりで本誌打ち切りになった。オレも全然理解できず2巻あたりでやめてしまったわけだけど、本誌打ち切り後、原稿料なしで完全書き下ろしで5巻を書き、その後もまだ書き続けてて年末に6巻を出すという無茶なことをしてるらしい。高橋しんがそこまでして書き続けたいと思った作品を途中で投げ出してしまったことをひどく後悔した。今度買ってこよう。

追記:
きみのカケラの打ち切りは厳密には作者急病のため約1年間休載。その後再開するが10週で連載が終了。