ダ・ヴィンチコード

今日はバイトの子がひとりダウンしたんで人数が足りんで大変やった。たまたま顔を出した新人君をタダ働きさせてゴメン。ほんま悪かったと思う。どうやら人件費は出んかったらしく、帰りに店長にたこ焼きと俺から紅茶花伝おごっただけやから時給100円くらいやな(;´ー`)しかも何故か俺らもたこ焼きおごってもらった。店長ごちそうさまです、ほんますんません。

ダ・ヴィンチコード読み終わり。

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉

ダ・ヴィンチ・コード〈下〉

ダ・ヴィンチ・コード〈下〉

これはおもろいです、ほんま。全体的なストーリーとしては、ルーブル美術館の館長が殺害されるところから始まる歴史ミステリー。キリスト教世界の隠された秘密、聖杯にまつわる物語です。うちは仏教なんでキリスト教についてはぜんぜん無知に近いんやけど(仏教もほとんどわかってない)、この本を読んでまず驚いたんは、いかにキリスト教が教会の権力を守るためにウソをでっちあげたか。聖書ってほんとはもっとキリストの人間くさいところがいっぱいあったんに教会が編集して都合のいいことしか書いてないねんなー。こーゆーキリスト教の秘密を暴露するような本が海外で大波紋を生んだのは容易に想像できるけど、この本で俺がはじめて知っただけで、1980年代以降こうゆう歴史的事実ってのはけっこういろんな本で言及されててんなー全然知らんかった。んで、この本がすばらしいと思うんは、そのネタを使って聖杯を探す物語をミステリーとして描いて、パズルのピースに使うってところで、あくまでキリスト教を批判してるわけじゃないねん。そこが非常にいいと思う。特にオプス・デイなんて前半はただの狂人の集団やと思ってたんに最後の方なってきてかわいそうくなってくる。こんだけキリスト教が力を失ってる現代においてかたくなに厳しい教義を守って神に仕える心が。神が人間によって作り上げられたものであったとしても、その教えを守ることで幸福な生活を送ってきた人々ってのが長い2000年の歴史の中にたくさんいて、そう考えると意図的に編集されたキリストの教えを否定することなんて軽率にはできひんねん。やから聖書の教えは聖書の教えとして、でも教会によってねじ曲げられるまえのキリストの姿も両方を理解することが重要なんだと考えされられた。もしこの本を読んで、単に暗号遊びとキリスト教の秘密の暴露本だと思ったんなら、もう1回読み直すべき。それぞれの教会とキリスト教徒と歴史学者と一般人のさまざまな立場にいる人々の利害と考え方とかが見え隠れして考えさせられる本です。
まぁそれはそれとして本書の中に出てくる数々の謎解きと暗号遊びもすばらしい。もし英語とフランス語が理解できたらもっと謎解きに参加できるのになぁと思うと残念や。いろんな作品や言葉の中にいくつもの意味をこめたダ・ヴィンチをはじめとする芸術家たちにも感服するけど、それについての研究をしっかり調べ上げて、オリジナルの暗号も作ったりと著者の博識ぶりと才能にもただ感心するばかり。
唯一マイナス評価は終盤にあきらかになる黒幕。ネタバレにならんよーにあんまりいわんけど、本を面白くしようとする意図はわかるけどなー、あまりに不自然すぎて無理があるいいわけじみた説明がせっかくのおもしろい本の全体像をだいなしにしてる気がする。