秒速5センチメートルを見てきた

新海誠の新作OVA秒速5センチメートル」を見てきた。新海アニメの映像の素晴らしさは今さら言うまでもないけど、それでも言いたい。桜きれい。んで、山崎まさよしの「One more time, One more chance」が本当にイメージにぴったりで、これ以外ないというぐらい。でも、個人的にどうしても許せない点があり、そのために手放しでほめることができないし、作品自体を決定的に好きになれない。ほんとに残念だ。

ここからネタバレ
ラストの踏み切りのシーン。あの手前までは最高の評価。映像よし、音楽よし、ストーリーよし。もちろん電車が途切れた後に、明里が振り返って待っていてくれるとみんな思ったに違いない。オレも思った。例え、明里が別の男の人と結婚していたとしても、あの最後の踏み切りのところで、振り返って笑顔で笑ってくれたら、それだけで希望が示せた。誰もがそうなると信じていたし、それを期待した。でも実際にはそうはならなかった。電車が切れた後、そこには誰もいなかった。ただ残ったのは現実の厳しさと孤独だけ。まったく希望も救いもない。なにもない。なんで、こんな終わり方にしたのか。もちろん新海さんが悩んだ末に批判を覚悟の上で出した結論なのだろうけど、それでもみんなはハッピーエンドを期待しただろうし、現実の厳しさなんて知りたくなかった。現実が厳しいからこそ、アニメの中だけはせめて希望を見ていたかった。映像は美しいし、音楽もすばらしい、でもこの終わり方はあんまりにも救いがなく、作品そのものを決して好きにはなれない。