下流社会第2章

下流社会 第2章  なぜ男は女に“負けた

下流社会 第2章 なぜ男は女に“負けた"のか (光文社新書)

下流社会の続編。下流という言葉は時代のキーワードとなりメディアで見かけることも多くなった。格差社会問題として派遣やニートの問題と合わせて語られることが多いのだけど、事はそう単純ではない。派遣社員非正社員がみんな正社員になりたいのかと言えば半数はそうではないし、正社員になることにより転勤や残業が増えるぐらいなら、多少収入が少なくても、自分の好きなことをして生きてゆきたいというのが下流的発想である。正社員になれたら幸せになれるわけでもなく、むしろ残業で私生活が犠牲になり、逆に未婚・派遣・一人暮らしで好きなことして生きる下流がむしろ勝ち組な気がしないでもない。とは言ってもこのままの経済状態では結婚なんかできないので、もちろんよいわけはないのもたしか。解決策としては、転勤のない地域限定正社員とか残業のない正社員みたいな条件付社員みたいな枠を作ったらよいんじゃね?というお話。
どんな雑誌を購読しているかでSMART男とかSPA!男など類型化し、SMART男は小泉支持とか、SPA!男はマジメなサラリーマンでちょっとオタク気味とか比較しているんだが、どれぐらい当てはまってるかはさておき、これがなかなかおもしろくて、階層意識と購読誌の関係を統計的に示すことで、雑誌の下流度を序列化しようという発想がおもろい。
前回の下流社会の統計サンプル数が少なかったという批判を踏まえて今回は1万人調査なんだけど、インターネット調査って回答者に偏りありそうだなぁとちょっと思った。