ウェブ時代5つの定理

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

梅田氏の新作。シリコンバレーを引っ張ってきたビジョナリーたちの名言集。とりあえず本書でも紹介されるスティーブ・ジョブズの名演説は感動ものなので聞いておいて損はないと思いますよ↓
ジョブズの卒業式スピーチを字幕で | トブ iPhone

名言集に関してはシリコンバレーの流儀とかベンチャーに関する記述が多いので、なんかすぐ役立つかというと微妙だけれども、言ってることはおもしろい。まぁ詳細は熱心なはてな村民がいろいろ書いてくれるだろうからそっちを参考にしてもらうことにして、上のエントリとからめてM$について思うことを少々。本書の内容とはほとんど関係ない独り言です。
この本でもApple素敵、Googleすげーよという論調は基本ですが、思い返してみてもM$をほめてる記事や本を見た記憶があんまりないし、M$の成功の物語みたいなのが語られることってあんまりない気がする。英語圏ではあるのかもしんないけど、とりあえず日本語で自分の目に触れるレベルの情報においてという限定が付くけれども。でも、考えてみればこれは変な話で、デスクトップ用途でのWindowsのシェアは圧倒的で一般人の中にはパソコンとWindowsの違いがよくわかってないような人がいるほどの影響力を持っている。Appleがはじめてコンピュータをパーソナルコンピュータにしたのかもしれないけれども、社会的にはWindows95が本当の意味でパーソナルコンピュータというものを実現したんじゃないだろうか。もちろんアメリカの政治的な圧力で不当な独占状態を作り上げたとかいう陰謀も聞くけれども(真偽は知らん)、それもある意味ですばらしい経営判断と言えなくもないわけで。まぁVistaが革新的かと聞かれれば残念な出来だとは思うけど。なのにM$はいつも悪者でサクセスストーリーには現れず、そんなに嫌われてるのはなんなんだろうかなぁ。GUIAppleのぱくりでイノベーションなんかじゃないとか言っても、Windowsの普及がなければ、ここまで急速なハードの価格破壊と性能向上はなかったわけで。それがほっといても自動的にムーアの法則で発展するんだという結果はありえなかったと思う。OfficeもVisualStudioも恐ろしくレスポンスがよいのはどうなってんだと不思議で仕方ない技術力。まぁ権力の象徴みたいな大企業で、ベンチャーを志す若者の憧れと一致しにくいのかなぁ。M$のオフィスは定時でみんな帰って熱気がないという噂だけど、それはある意味勝ち組なんじゃないかと思ったり。まぁ結局価値観の問題で、やれば出来る子といい続けて自分探しをしてるネット難民ウケするのがGoogleAppleリア充ウケするのがM$なのかなぁとかいう皮肉めいたことをうだうだ考えたのでした。